2011年02月17日

とある大企業の黎明期

これは私の祖母から聞いた話なので、本当なのかどうかは判らない。



祖父母はかつて、京都山科で小さな下宿屋をやっていた。
客は地元の若い警官で、いわば独身寮のようなものだった。

ある日の朝、祖母が玄関を開けると、軒先に若い男女がうずくまっていた。
聞くと行き倒れのようなものである。
九州から来たといっていた。名は鈴木さん。
しかし事情(なぜ彼らが九州にいて、そこから京都に来て、さらに祖父母の軒先にたどり着いたかについては色々あるのだが、個人的な事柄なので割愛する)があって行く宛がなく、ここで夜露をしのがせてもらっていたという。

気の毒に思った祖母は、お金がないというふたりをしばらく、空いている部屋に置いてやった。
そのうち近所のとある施設に住めそうだというので保証してやり、二人はようやくそこに腰を落ち着けた。
その施設は本当にごく近くにあったので、それからも余った食べ物があればあげたり、向こうも何かあれば相談にくるという感じで、なんとなく世話をしている風になっていった。

そして鈴木さんはすぐに、自分たちで仕事を始めた。
最初は何の元手もないから、とにかく「何でも屋」。
動く手足を使って力仕事をした。

いくつか仕事を変えた後、業務用の清掃道具を買ってきて周辺の家をまわり、掃除の代行業を始めた。
特に昔のトイレはくみ取り式だったから、少し掃除をさぼるとすぐに汚くなる。
そこで塩酸などの薬品などを使って徹底的に掃除するというのは、それなりの需要があったようだ。
(元々彼らが入所した施設でも、トイレ掃除の奉仕活動は行っていたようだ)

それから太平洋戦争が始まると、入手が難しくなった蝋燭の代用品を作ったりしていた。
ある日、そんな彼らが家に来て、祖父母にこんな話をした。

「雑巾を使って、新しい事業を始めようと思います」
「今度は雑巾か」
祖父は呵々と笑った。
祖父母の方も、下宿屋になる前後に左官屋、食堂、焼き芋屋、駄菓子屋などと商売をやってはうまくいかずに転業しており(最終的に自転車預かりでやっと成功した)、このあたりは彼らとウマが合ったようだ。

「雑巾を貸し出す商売なんです」
「雑巾なんて貸して、商売になるかね」
「勝算があります」

どんな勝算だと聞くと、家庭や会社に雑巾を貸し出して掃除に使ってもらう。
一定期間ごとに訪問して、新しい雑巾と取り替える。
そのときに並行して、清掃の受注営業も行う。
いきなり「掃除の御用はありませんか」と訪ねるよりも、定期的に訪問できるから信用ができて効率的だし、雑巾自体のコストも高くない。

祖父母はそういうものか、と首をかしげていたが、鈴木さんは大丈夫ですと胸を張っていた。

そのうちトラックを新調し、道具も立派になり、人を雇い始めた。
戦争が終わると事業は波に乗り、清掃道具の販売やビルメンテナンスなどに手を広げた。
二人の事業は年を経るごとに急成長し、全国区の大企業となっていった。






ほら、あの会社ですよ。
雑巾貸し出す。貸し出す雑巾。出す雑巾。出す巾。(→Wikipedia)

でもこの話、世間に公表されているものとは全然違うんだよね。
ただし社名の由来は、生前の鈴木さんから直接聞いたらしいから間違いない(冗談の可能性もあるが)。




全体的には、ほんまかいな、という感じで。
posted by tk219 at 11:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月15日

核融合科学研究所へ

岐阜県土岐市にある「大学共同利用機関法人・自然科学研究機構・核融合科学研究所」に行ってきました。

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前の晩に降った雪が残ってます。
こちらは何をするところかと言うと、

 核融合科学研究所は、安全で環境に優しい次世代エネルギーの実現をめざし、大学共同利用機関として国内や海外の大学・研究機関と共に双方向の活発な研究協力を進めています。また教育機関として、次世代の優れた人材を育成し、社会と連携しながら、核融合プラズマに関する基礎的研究・教育を強力に推進しています。(中略)
 一億度にも達する超高温・高密度の核融合プラズマとその制御は、物理学、電気工学、超伝導工学、材料工学、情報工学など理論と実験にまたがる現代理工学の幅広い分野の最先端を包括した学術研究対象であり、核融合科学研究所は全国・全世界の研究者コミュニティの知が結節する中核拠点です。
http://www.nifs.ac.jp/introduction.html


これじゃ判りませんか?
ではもっと簡単に。

具体的にいうと、核融合炉の実用化を最終目標として「大型ヘリカル装置(LHD)」というヘリオトロン磁場による超伝導プラズマ実験装置を使い、定常的な高温高密度プラズマの閉じ込めを研究してるんだそうです。

「重水素だとパラメータが急に良くなって……」
「カレントドライブがいらない上に、イグニッションすれば燃えるところが有利……」
「ヘリカルはプラズマ的にプロセス速度が……」
「熱サイクルの問題で、中性子をぶつけるブランケットがもたないので定常を目指さざるを……」

何のことか判らないと思いますが、ご安心を。私も判りません!!

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まずは司令室的なところから。
現在は装置を冷却中(4週間かかる)のため、作業している人は少なめです。

CA393174.jpg

大画面に映っているのが装置内のプラズマ映像。
プラズマは超高温(現在達成した最高で6500万度)になると可視領域がなくなって透明になります。
そのため白く見えている筋は、少し温度の低い部分というわけです。ほへー、ですね。

CA393177.jpg

これが全景。
中央の丸い部分が本体。この内部でプラズマを加熱します。
外径は13.5メートル。重さ1500トン。
ねじれたドーナツ型である超伝導ヘリカルコイルの内部をプラズマが駆け抜けるのですが、その外側を超伝導ポロイダルコイルが覆っています。

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こんな表示がありました。ギネスブック認定。「The Heaviest Door」
この施設のドアは、世界で一番重い扉なんだそうです。

CA393196.jpg

↑それがこれ。

CA393198.jpg

↑また、こういう扉もありました。
左側にある山形ブロックのようなものが右に前進して、同じ凹凸のある出入り口をぴったり塞ぎます。

CA393194.jpg

こういうところも見せてもらいます。

CA393190.jpg

ただしこういうものがそこかしこにあり、油断できません。

また冷却中である今だけ、ということで中枢部分である超伝導ヘリカルコイルの内部も見せてもらいました。

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暗くてよく判らないと思いますが、↓が実物模型。

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このコイルは技術オリンピックで金メダルを取った職人複数が2年をかけて溶接して作っており、その製作精度として許される誤差は2ミリ以下。
コイルは二重になっていますから、作業は常に片側から。
裏を確認しながら、というわけにはいかんのです。

先端科学というものには優秀な頭脳の持ち主が投入されるわけですが、
その理論やアイデアを実現するには、鍛え上げられた職人の技術が必要となります。

しかしそういった頭脳や技術の両方を蓄積するには、それだけの積み重ねをゆるす社会がなくてはなりません。
これすなわち国家の歴史というものなのでしょう。

CA393171.jpg

プラズマサーベルを持つガンダム。
むしろこの姿こそ、日本の粋というものかもしれませんですね。
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posted by tk219 at 21:46 | Comment(2) | TrackBack(0) | 外出(遠出) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月13日

味香苑の中国東北料理

以前から気になっていた、三ノ宮の中国東北料理「味香苑」に行ってきました。

ビルの8F。エレベーターを降りるといきなりテーブルと椅子。
そこは店舗ではなくエレベーターホールなのだが、もうそこも店舗にしてしまえ、といういい意味でアバウトな造りになっている。ただしホールだから寒いので数台の石油ストーブがガンガンに赤くおこっている。

それでも寒いのでEVホール席を避けて店内に入る。
すると、どう見ても元はスナックの店舗をそのまま使っている。
スナックの厨房でバカでかい中華包丁をふるう姿というのは、なかなか不思議な感じがした。

まずは羊肉、牛血管、牛心臓の串焼き。八角(スターアニス)とクミンの香りが強烈。

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ここの料理は、満州からモンゴル、ウイグルあたりのものなんだそうです。
メニューを眺めると、確かに遊牧民的なイメージが漂うラインナップ。

戦前、漬け物と味噌汁食ってた日本人が、こんなところへ進出しようとしたのだなあ、すげえなあと単純な感慨を覚える。

だって味噌汁に豆腐入れて、納豆、冷や奴食べるなんて、「大豆の汁に大豆入れて、ごはんに大豆かけて、大豆の塊に大豆ソースをかけて食べて」んですよ。
俺、そんな状態から適応できるかなあ、なんて思いながらムシャムシャ食べる。

東北醤大骨。
要は背骨の醤油煮。680円。これはメニューに載っていない。

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骨のまわりについたトロトロの肉を、剥がしながら食べる。
カニ食べてるときと同じで、思わず無言で没頭しました。

で、あまりに食べてるものが肉肉しいので、レバーの炒め物を。
しいたけが妙に美味かった。

CA393146.jpg

味香苑チャーハン。
あんかけがかかってるが、こちらもかなりの八角味。意外と量がある。

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どれも安くて量があり、もちろん美味い。
本当は「繭のてんぷら」「干し豆腐の炒め物」あたりも食べたかったが、満腹になったので次回にします。
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posted by tk219 at 14:13 | Comment(0) | TrackBack(0) | 食べる | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月11日

Firefoxで特定サイトをフィルタリング

やらなきゃいけない仕事があるのに、ついつい、いろんなサイトを見てしまう。
だからといってペアレンタルコントロールとかいって、特定ワードで全て禁止するほどでもない。
というか、「ついついいらんものを見てしまう」という事態は、私の場合、基本的にネットで調べ物をしている時に起こります。
それが禁止ワードにちょいとひっかかるとかは困る。面倒。
特定のドメインだけを禁止してくれたらそれでいい。2ちゃんねるとか、大手小町とか。

というわけで、そんなアドオンを探しました。

まず試したのは以下の3つ。

Glubble for Firefox
ProCon Latte
brOOzi

しかしどれも基本はペアレンタルコントロール。
要は「どこかを禁止する」というより、「許可したものだけ見せる」もの。
これは大の大人が使うには、しんどい。

で結局、これにしました。↓↓↓

LeechBlock

指定したサイトを、指定した時間だけブロックできる。
具体的には、何曜日の何時から何時までブロック、という風に指定。
もちろん全曜日(Every Day)の全時間(All Day)にすれば完全にブロックされる。

また6個のブロックを作ることができ、1ブロックに複数のサイトを指定できる。
つまりブロックするサイトと時間帯を、6種類設定できるというわけです。
タグ:diary Firefox
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2011年02月06日

スパムとかクーポンとか

先日、某巨大ポータルで働いてる知人と話してました。

「あのスパムメールの絨毯爆撃はどうにかならんのか」と言うと、

「いやー、ひどいなーとは思うんすけどねー。でも現実にはそうやってスパムとかって意識してるのは全体の一部で、ユーザーの大半はスパムとはなんぞや?というレベルなわけですよ。意識してない。それで一定割合、きちんと商売になっちゃってるんす。ユーザーの多くが『迷惑だ』って感じ始めたら、そこで終了なんでしょうけど、実際はそうでもないんすよねー。びっくりなんすけど」

と言われました。

クーポンサイトも最近問題になってますけど、あれだけ話題になって叩かれて、むしろ売り上げ増加しているらしい。
つまりコンチクショウって怒ってるのは一部に過ぎず、大半は何も感じてないってこと。

クーポンサイトの場合、本来ああいうのが役に立つ商売は、

・アミューズメント施設(入場の敷居を低くして、アトラクションで金を取る)
・美容とか教室関係(継続する必要があるから。その入口として)
・場所貸し(最悪、維持費さえ回収できればいい。空いちゃう時間を埋めたい)

くらいかなと思うのですよ。
飲食店はちょっと違うと思う。平日昼間限定で、1〜2割下げれば十分。
正直言って半額以上下げてしまうと、むしろリピーターは逃げます。
「半額でも商売になるんじゃねえか、この野郎」ってね。


で、スパムメールに戻りますけど。
スパムメールが「金になる割合」は、1250万分の1。

Spam gets 1 response per 12,500,000 emails
http://www.techradar.com/news/computing/spammers-get-1-response-to-12-500-000-emails-483381

26日間に3億5000万通出して、28の売り上げ。
そんなんでいいのかと思うが、先日東京で社長が逮捕された「ユニバーサルフリークス」の場合、1日に500万通送って1年半に5億円儲けたっつうんだから、なかなかの成績でしょう。

また「送ってくるのやめてほしかったら、ここに返信しろ」みたいなこと書いてあるかもですが、あんまり信用できない。
下手に返信したら、「このアドレス、生きてます」ってわざわざ申告することになってしまう。

メーラーで「HTMLメールをテキスト受信にしておく」のも同じ理由。
画像なんかを読み込みだしたら、そこで生存確認完了になる。




ちなみにふと気になって、スパムフォルダに仕分けられたままのメールを眺めたら、
ほぼ全て、知人の働いてる会社からでした。
別にいいけど。
posted by tk219 at 20:47 | Comment(2) | TrackBack(0) | PC関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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