2013年11月17日

『夢と狂気の王国』を観てきた感想

16日はシネマズミントのサービスデー(1000円)。
というわけで観てきました。『風立ちぬ』の制作に追われるスタジオジブリをとらえたドキュメンタリー。
僕は宮崎駿の声が大好きです。俳優・声優でそういう人っていないですけど、宮崎駿の喉に何かからんだ低い声は、ずっと聞いてて飽きない。
で、この作品は全編、宮崎駿がぶつぶつつぶやきます。たまりません。
以下、観てきたばかりの感想書きます。長いです。

宮崎駿は脚本を書かない。
いきなり絵コンテを切って作品を作ってしまう。そしてできた絵コンテは作画に移ってしまうから、全員が制作作業に入っているというのに、宮崎駿本人を含めて誰もその結末がわからない。
彼のおそろしいところは、そんな状況にありながら、ついに72才になっても出す作品の全てが何十億円という大ヒットになること。
高齢の現役監督はいくらでもいるが、最新のものが常に売れているなんて空前絶後。こんな天才のそばにいられるなら、たとえつぶされるだけだと判っていても全てを投げ出して着いてくる者はいくらでもいるだろう。
そしてこれは彼自身に課せられた呪いでもある。
だから、自分がもうすぐ本当の限界に達すると自覚した宮崎駿は「もうやめた。俺は自分のやりたいことだけをしたい」と引退宣言をした。

宮崎駿は『風立ちぬ』の主人公・堀越二郎の声に、庵野秀明を起用した。
本作の中で宮崎駿は、庵野がいるシーンはすべて上機嫌に映っている。
ゼロ戦の模型を片手にインメルマンターンについて話す姿は「友達」に対するそれだった。
高畑勲のように愛憎なかばする存在ではなく、たぶん純粋に「かわいがっている」のだと思う。島本和彦の『アオイホノオ』を読めばわかるが、庵野秀明は怪物。才能のかたまりである。だから宮崎駿は、大阪から上京してきた初対面で未経験の23才の男に、『風の谷のナウシカ』で最重要のハイライトとなる巨神兵のシーンをまかせた。冷静に考えればありえない決断。

また宮崎駿は庵野の『新世紀エヴァンゲリオン』について、本人を前に「自分の中に何もない、カラッポだってことを証明してみせたな」と笑った。
これを、「庵野をディスっている」と勘違いする人もいるが、そうではない。宮崎駿は常々「自分は、何もわかっていない」と各所で述べてきた。つまりこれは「ついにおまえも俺のステージに登ろうとしているな」という歪んだ賞賛の言葉なのだ。その証拠に彼は、息子の宮崎吾朗に対してそういうことを笑顔で言ったりしない。

宮崎吾朗といえば、本作でわずかに登場してなかなか重い言葉を吐いていた。
「自分は間違ってジブリに来てしまった。アニメが作りたいという純粋な気持ちでここに来たわけじゃない」と。
『ゲド戦記』の制作において、宮崎吾朗にあった才能はひとつしかなかった。それは「宮崎駿につぶされない」ということ。何を言われても、どれだけ罵倒されても息子だから「うるさい!」と真正面から口答えできる。それが彼の「才能」だった。そして『コクリコ坂にて』で、飛び抜けてはいないが順当な成長は見せた。
しかし彼の中にあるのは「すごいものを世に見せつけたい」というクリエーターのエゴではなく、「このスタジオジブリにいる人々のために」という優しさが多くを占めている。

宮崎駿はスタジオジブリについて「いずれ廃れる。やっていけなくなる。それは仕方がない」と述べている。
おそらく彼の中には「どうせ、俺がいなくちゃダメなんだろ?」という気持ちがあるんだと思う。400人ものスタッフがどれだけ頑張っているとしても、しょせんは彼の才能あってのこと。
後継者が育っていないことは、『借りぐらしのアリエッティ』で明らかだ。並のスタジオなら作画監督ができるレベルのスタッフが、ヒラのアニメーターをやってるのがジブリだ。だから絵のクオリティは高い。しかし物語をつむぐ力が全くできていない。だからプロデューサーの鈴木敏夫は、『ゲド戦記』で吾郎さんを引きずり出すしかなかった。

そうした状況の中で、宮崎駿は72才になるまで周囲の期待に応え続けてきた。でももう、それが限界に来ている。そしてそれはプロデューサーの鈴木敏夫もよく判っている。
だからこそ、『風立ちぬ』の封切りに合わせて引退会見を行うというマーケティングを行った。あんなものは宮崎駿ひとりでセッティングできるものではない。

さらに言えば、庵野秀明の声優起用も冷静な計算があるのだと思う。
作中、『かぐや姫の物語』プロデューサーである「西村さん」が、鈴木敏夫について「あの人は全てに気配りができる人」と言っている。
どの場所で、どの打ち合わせにどの人間が並ぶのがベストか、ということを全て計算して組み立てるのだと。
宮崎駿はおそらくまだ、アニメーター、映画監督、さらにはスタジオ経営者としての庵野秀明と机を並べて仕事ができるほどの寛容さは持ち合わせていない。
でもそれ以外のことなら仲良くできるし、また彼が仲良くしたいという気持ちを秘めていることも知っている。自分と同じように輝く才能を持ち、「スタジオカラー」の経営者としてスタッフを抱える苦しみの中にいる後輩。自分と同じ苦しみも喜びもわかりあえる同志としての庵野秀明を求めているはずだと。

その意味で声優というのは絶妙だった。
台詞を話す以上、作品内容に少しは口出ししても不自然ではないし、かといってクリエーターのプライドがぶつかりあうこともない。
だから宮崎駿と庵野秀明が同席しているシーンは、まるで二人が親子のように見える。息子が来てくれて上機嫌の老いた父親。しょうがねえなと無愛想ながらも相手をしてやる息子。

しかし本当の息子は、同じスタジオジブリの中にいるのだ。
おそらく吾郎さんはめちゃくちゃもがき苦しんでると思う。かわいそうだと思う。それがわかるいいシーンだった。

あの苦しみがあれば、吾郎さんは「ものになる」のかもしれない。
それまでは、きっと庵野秀明が『風の谷のナウシカ外伝』を作ってひっぱってくれるだろう。そして宮崎駿はそれを苦虫を噛みつぶしたような顔をして眺め、「俺が若ければなあ」と愚痴るのだろう。
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2011年10月10日

9月に観た映画まとめ

9月分まとめ。


クラッシュ

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昔大阪の塚本駅で、アラブ人(たぶん)の親子が、切符を買わずに改札を通ろうとして、駅員に止められていました。

父親らしき初老の男性はおろおろと戸惑っていて、横の息子らしき青年は父をかばって駅員に抗議しています。しかし2人とも日本語が話せない。


駅員は切符の販売機へ2人を連れて行き、目的地を聞こうとするんですが、どうにも意思の疎通ができません。

そのうち父親が駅員にお金を渡したので、駅員はそれを自販機に入れようとします。すると何を誤解しているのか、息子が絶対にお金を入れさせまいとするのです。雰囲気からして「勝手なことをするな!」といったことを叫んでいたようです。

そして2人は切符を買わないまま、再び改札へ。当然、駅員はあわてて止めます。


父親は必死の表情で駅員にお金を押しつけ、改札を通してもらおうとします。

駅員が「だめだめ」と叫びながら2人の前に立ちはだかると、息子は激怒して駅員を突き飛ばしました。別の駅員もやってきて、押し合いのような状況に。

すると息子は再び何か抗議して、ついには泣きだし、父親の肩をかき抱くようにして駅を去ってしまいました。

彼はずっと何か叫んでいました。「どうして判ってくれないんだ」、おそらくそんなことを言っていたんじゃないかと思います。


彼らにどういう誤解があったのか、知る由もありません。どうすべきだったのかも。

こんな簡単なことでも、人はわかり合えない。

この映画を観て、そんな昔のことを思い出しました。


薔薇の名前

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昔観て寝落ちしたため、再度挑戦。やはりその時々の相性があるのでしょうか。今回は眠いどころか、わくわくして観ました。

1300年代のイタリア。修道院という男だけの閉じた世界で、奇怪な連続殺人事件が起きます。この謎を解くのがイギリスからやってきたショーン・コネリー。

それにしても、中世ヨーロッパだけは絶対に住みたくないですね。

薄暗くて不潔でじめじめして、治安悪くて、ろくな食べ物がなくて、疫病が流行して、終末思想がはびこって魔女裁判とかやってる。その上でホモソーシャル全開の修道院なんて、刑務所よりひどい。いや、中世ヨーロッパ刑務所の「洒落にならなさ」は恐るべきなんですけど。

謎解きの軸自体は大したものじゃないと思います。ですので、これは全体の空気を味わう映画。全編、砂を噛んでジャリジャリするような感覚があります。そこがいいです。


ロッカー 40歳のロック☆デビュー

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こういう楽しさって久しぶりだなあ、と思いました。全編、妙な多幸感にあふれた映画です。

大手レコード会社とのメジャー契約と引き換えに、ロックバンド「ベスヴィオス」から一人追い出された哀れなドラマーが主人公。20年を経て、ベスヴィオスは超ビッグバンドに。方や主人公は失業してニート状態。

しかし高校生の甥に頼まれて新バンドに加入する、というお話。

古き良きロッカーとしてふるまう主人公と、クールだがおとなしく「いい子」たちな高校生の対比が面白い。元気なおっさんというのは、もうそれだけで笑いと悲哀が同居してる。そして物語としてのメッセージはバンドの演奏する歌詞で表現できるから、非常に判りやすい。

この話は、実はモデルとなる人がいます。

それはあの「ビートルズ」のメジャー契約直前にクビになったドラマー、ピート・ベスト氏。

本作ではこの方がゲスト出演してます。


オー!マイ・ゴースト

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これは面白かった。人間嫌いの偏屈歯医者が、一時的に「死んだ」ことで、幽霊とコミュニケーションを取る能力を得てしまう、というコメディ。

幽霊とは皆、現世に心残りがある者たち。アメリカ人にも「成仏しきれぬ」という概念があるんですねえ(本作では、真実はそうではないことが明らかにされるが)。

幽霊たちは、主人公に話を聞いてもらおうと殺到、そこらじゅうのべくまくなしに話しかけられまくる。反論すると、周囲から見れば独り言を叫ぶ変人なわけで、そこが笑いどころ。

最終的には人間嫌いである主人公が、自分の殻をやぶって成長する物語です。

途中かなりきつい中国人ジョークが出てきます。昔は日本人が滅茶苦茶な扱いを受けたものですが、最近は中国人の皆さんも台頭してきたようで(別にそれがいいことととも思いませんが)。


ブラック・スワン

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これは怖くて、痛い映画。

単純にホラーなシーンもあるが、そういうストレートな意味ではなく、精神的な方で。演劇にかぎらず、何かしら「表舞台」に立とうとして行き詰まった、限界を感じた、打ちのめされた人に深く突き刺さるような棘がある。

でもそれって、立ったことのない、その世界に真の意味で入門したこのない人には絶対に判らないことでもある。

なりたい自分、なれない自分。外に見える自分。他人からは見えない自分。

ただまあ映像的には、サイコスリラーといえば聞こえはいいが、「なんでもあり」になってしまっているとも言える。

本物のバレエを観てみようかな、そう思えた作品でした。


奇人たちの晩餐会USA

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これはつまらん。面白くない映画だった。もちろんクスッと笑うくらいのことはありましたが、特大のため息をつくシーンの方が多かったです。

原作のフランス版が好きで、今回、ジャケットにも写っているハリウッド版のスティーブ・カレルの、「ほら見て、うふ、えへ、ねえねえ、僕の面白い顔、えへえへ」みたいなわざとらしい表情を見て大いに不安を覚えたのですが、不安を覚えるくらいなら観なきゃよかった。

オリジナル版に出てくる「国税庁の男」は、バカで要領が悪くどんくさい奴ではあったが非常識ではなかった。他人の家に不法侵入したり、他人のワインボトルを壁に投げて破壊したりはしなかった。そんなやつが「あいつはバカ」呼ばわりされて一人前に落ち込む表情を見せられても、万が一にも同情できない。この場合の「万が一」とは文字通り、10000分の1という意味で。


イースタン・プロミス

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ロンドンの病院に運びこまれる身元不明のロシア人少女。少女は出産して息を引き取る。助産師のアンナは少女の日記を頼りに、彼女の身元を割り出そうとするうち、ロシアン・マフィアの運転手を務めるニコライと出会う、というお話。

主人公ニコライ(ヴィゴ・モーテンセン)の男の魅力が爆発してます。全編、彼の色気を表現するために作られているというか。

サウナでの全裸戦闘シーンは圧巻でした。全体的に派手な銃撃戦やアクションがあるわけではなく、鍛えられた男同士が刃渡りの厚いナイフをもって、原始的に戦う。普段が淡々としているだけにそのひとつひとつが実に痛そうで、静と動の連続が楽しかったです。

で、もうちょっと観たいと思わせるあたりでエンディング。面白かった。


毎日かあさん

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西原理恵子の原作を映画化。漫画家のサイバラと、元戦場カメラマンの夫。夫はアルコール依存症から入退院を繰り返します。

前半「ダメ親父」だった夫が、後半本当に「親父がダメ」になってしまう。笑った分、悲しみの揺り戻しが来るという仕掛けですね。

このあたりは以前観た『酔いがさめたら、うちに帰ろう』と同じです。実話だから当たり前ですが、あちらは夫の原作ですから夫視点、こちらは妻の視点で描いています。そのため同じエピソードなのに同じ話にならない。またあちらでは浅野忠信の飄々とした感じが、ある意味夫に都合良く描かれた作品にあっていたし、こちらは永瀬正敏の少し神経質な感じが「どうしようもない人」感が、夫に全く都合良く描かれていない本作に合致していました。両方観ると本当、面白いです。


銀河ヒッチハイクガイド

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以前から、何かと「人生、宇宙、すべての答え。それは42」という言葉が各種のパロディなどなどにあらわれて気になっていたにも係わらず、元ネタになっている原作を読まずじまいだったので、観てみました。

地球が銀河ハイウェイの建設予定地に当たるというので、宇宙人が急にやってきて地球を行政代執行。つまり取り壊し。その公示はアルファ・ケンタウリの出張所に50年前から掲示されていたそうなので、見てない地球人が悪い(笑)、というお話。

原作は1980年代のハヤカワSFということで、さぞかし皮肉の効いた知的ユーモアものなんだろうと思いつつ観ると……見事なバカ映画(いい意味で)でした。実にしょうもなくて良かったです。話が進めば進むほどくだらなさが倍増していく展開は見事でした。


レクイエム・フォー・ドリーム

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これはいい映画。主にドラッグの恐ろしさを真正面から見せて、もちろんハッピーエンドになんてなりようのないお話。楽な快感を求めて中毒になったら、人生ろくでもないよと教えてくれます。

自分はもっと光り輝く、幸せな、すばらしい日々を送るはずだった、そう思っていても現実はそうじゃない。ひとついいことがあれば、ふたつくらい悩みがついてくる。時には悩みだけ残っていいことは雲散霧消してる。もう何も考えたくない、そんな風に思うあなたに、いいお薬が。で、お薬はあなたの体から「悩み」というゴミを取り払ってくれます。やった最高!って思ってたら、いつのまにか全身から腐臭が漂ってきて、あなた自身がゴミになってたというわけ。もう捨てるしかないね。だからレクイエム。

観ていて落ち込む映画ですが、文部科学省推薦で、お願いします。


下妻物語

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茨城県下妻に住み、ロリータ・ファッションに身を包んだ少女・桃子(深田恭子)がヤンキーのイチゴ(土屋アンナ)と出会い、数々の騒動に巻き込まれつつ強力な生き様を貫く、というお話。

もしかしたら田舎には今も生き残っているかもしれない、不良のロマンティシズム。かなりの傑作でした。

生来の真面目さを隠してヤンキーになったイチゴと、その真逆でロココ調に憧れた桃子。どちらもそのこだわりは、過去の「痛み」によってもたらされています。だからこそ、彼女たちがお互いに補完しあう姿が違和感なく見える。自分の道を突き進むには勇気がいるが、ヤンキーにしてもロリータにしても、バカにする人はいるわけで、それを貫くには強くなくてはいけない。少女たちがその強さを備えて立つ姿が感動的ですらあります。

あんまり面白いから、2回連続で観てもまだ面白かった。

あと監督、深田、土屋の3人によるコメンタリーがまた面白く、良かったです。


ウォール・ストリート

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冷酷非情なコン・ゲーム。天才たちの頭脳を賭けた頂上決戦。人智をこえた金融工学による予測不能なマネーゲーム。

そういうのはひとつもありません。「ソーシャル・ネットワーク」みたいなわくわく感はなかったです。

なんだろう。オムライスのような、幕の内弁当のような、コロッケのような。けして突き抜けるような味にはならないメニュー(これは僕の偏見ですね)というか。

ただマイケル・ダグラスの「俳優力」はさすがで、画面を観ようという気にさせます。

8年の服役を終えて出所するカリスマ投資家ゴードン(マイケル・ダグラス)。こいつと彼の娘の婚約者で金融マンであるジェイクの物語。

後半、1億ドルをめぐる駆け引き、じゃなくて単なる詐欺があるんだけれども、それを「え?それで許すの?!」と驚いた。人がひとり死んでんねんで!という突っ込みもあり。

本作で判ることは、「投資に必要なのはタネ銭」という厳然たる事実。お金のない人は投機、ダメ。絶対。


完全なる報復

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典型的復讐モノだと思ったら、全然違った。

なんと映画が始まって3分で家族を殺され、さらに冒頭30分で復讐完了。えっ、話が終わっちゃうじゃん。どうすんのと驚くも、そこから怒涛の展開。

そもそも主人公は妻と娘を2人組の強盗に殺されたのですが、成績第一の検事が主犯と司法取引。従犯を死刑として主犯をたったの禁固5年とした経緯があります。しかし検事にも言い分はある。いわく違法収集証拠だった、失敗すれば2人とも無罪になってしまう云々。

ならばと主人公が標的に定めるは、国家の司法制度そのもの。家族の死から10年を費やして遠大なる報復計画を練り上げるのです。ただ荒唐無稽すぎて「すごく賢い中学生が考えた」みたいな作品。バカらしくも清々しく、思わず手に汗握る自分がいました。男として、どうせ復讐するならこれぐらい徹底的にやらんかい、という気持ちも抑えきれない。

ただし後半はちょっと興ざめ。ただのオッサンがここまでやった、というのが良かったのに。



ぐるりのこと

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ひと組の夫婦の、破壊と再生というか。

本作は演出上イライラすることがあって、最たるは「黒い丸ワイプでシーンが切り替わる」こと(サザエさんのエンディングみたいなやつ)。別に面白いシーンじゃないんですよ。暗くシリアスな場面でもそれをやる。変なの。

ただまあ、怒り泣きしてる最中でもお腹すいたな、とか、こいつ殺したいと思っていても同時に鼻毛がかゆい、とか、人間色々同時に考えることはあるわけで、ひとつの感情だけで支配できるほど単純じゃない。

そういう、人生とはそう判りやすいものじゃないということが描かれているような気もしました。

また本当につらいことや困ったことがあると、他人というのは役に立ちません。

酒を飲もうが遊び回ろうが、それを忘れて消化するというのはできない。一体何がその苦悩を解決するか。これはもう時間しかない。ならばせめてその「時間」を寄り添っていこうと思えるのが、愛情というものなのでしょう。


英国王のスピーチ

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第二次大戦前夜、吃音に悩む英国王ジョージ6世が自らの悩みを克服するまでを描いた実話。

演説が苦手な英国王。そこに立ちはだかるのがヒトラー。演説の天才。そんな英国王には、ヨーク公時代から付き合いのある言語聴覚士ライオネルが寄り添っている。これは形を変えた「ロッキー」ですよ。ふたりで発音練習の特訓をするあたりは、そのまんま同じです。目標に向かって突き進む人間の姿というのは、それだけでいいものですね。

映画が始まった冒頭からラストまで、心から英国王を応援してしまってました。ライオネルいわく、「生まれついての吃音はいない」。お話が進むにつれ、ジョージの抱える心の問題(幼少時の虐待)が明らかになっていきます。ライオネルとの友情を通じて、男は壁を乗り越える! 友情、努力、勝利!

また父ジョージ5世、ボールドウィン、チェンバレンといった面々が「似てる」のも嬉しいところ。ただチャーチルだけは「チャーチルの物真似してる人」にしか見えず、画面に出てくるたびに失笑してしまいました。


幸せはシャンソニア劇場から

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僕はこういう「小屋」を描くお話が大好きです。緞帳が上がり、暗い舞台裏から照明の輝く表舞台へ。ハレーションの隙間に見える観客の顔。今日やってきた観客たちが喜ぶかどうかが評価の全て。この恐怖を耐えきるには、常人ではいられない。けれどもちろん、劇場を出れば普通に生きる生活人でもある。

パリの下町。人民戦線が出てくるから、1900年代前半かな? そこの劇場が不況とストで閉じてしまう。必要なのは定職だけど、スタッフたちはなんとか劇場を復活させたい。

じめじめと湿った石畳の小径を少年が駆けてゆきます。みんな貧乏だけど、精一杯生きてる。さあ、泣かす仕掛けは揃いました。小屋を復活させるのは、ひとりの天才歌姫です。舞台は冷酷なもの。努力ではどうにもならないものがあります。天才だけが舞台を支配できるのですから。

そしてようやく、という時に悲劇が待っています。人は堕ちてゆく。昔ドラマで見た、萩本欽一の「ゴールデンボーイズ」を思い出しました。


バーレスク

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田舎でくすぶってたクリスティーナ・アギレラが、華やかな舞台を夢見てハリウッドにやってきて、ナイトラウンジ「バーレスク」でその才能を開花させる!というお話。そこの女主人がシェール。

こういうショービジネスものって、昔はもっと理不尽な意地悪なんかで主人公を追いつめて、耐えて耐えて、最後にやっと認められるという展開が普通だったと思うんですが、本作はそういうまどろっこしいことはしません。

最初に助けてくれるバーテンダーは底抜けに優しいし、シェールも意地悪言わない。同僚もひとりを除いて普通。ひとりだけ敵がいるんですが、あっというまに陰謀を破って勝利。

つまりは割とススッと認められ、シャシャッと頂点に立っちゃう。要はアギレラの歌唱力を楽しむ映画です。


ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!

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ロンドン首都警察に勤める主人公は、あまりの有能さゆえ上司に疎まれ、田舎町サンドフォードに飛ばされる。そこで待っていたのはやる気のない同僚たちと、どこかおかしい村の人々。主人公は周囲となじめず浮いた存在となっていくが、次第に村の恐ろしい秘密が明らかに、というお話。

妙にスピーディな編集で、変わった作品だなーっと思って見てたら、これが意外にめちゃくちゃ面白い。この2ヶ月で観てきた映画の中でも1、2を争う面白さでした。

緻密に組み立てられた脚本なのに、随所ですごくいい加減な描写があり、正しく「B級」という感じ。

後半の展開はまさに唖然。しかし熱い。超燃える。これ観てショットガンを撃ちたくならない男は、もうそんなの男じゃない(笑)。日々を鬱々とすごす男子なら観るべき。

ただしDVDの作りがひどいです。字幕が声とずれます。吹き替えも、音声がでかくなったり小さくなったりする。著作権切れの1000円DVDでも、もっとマシな出来でしょう。


ミート・ザ・ペアレンツ3

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看護師の主人公は、妻と娘・息子に恵まれ幸せな日々。元CIAの義父との関係も落ち着いてきた。しかし製薬会社の女性に勃起不全薬の売り込みをかけられ誤解をうけ、義父と主人公が再び対決!というお話。

非常に安定感のあるコメディ。しかし観た時期が悪かった。本作は「巨大な穴に落ちる」「誤って砂で生き埋め」というシーンがあります。ちょうど本邦では「落とし穴生き埋め事件」という不可思議な事故(事件)が起きました。2chなどでは「逆さまに落ちるわけがない」「すぐに引き上げないのはおかしい」など、事の真相はともかく頭カラッポとしか思えない議論が白熱してます。そういった方はぜひ本作を観るといい。砂に埋まった人間を掘り起こすのがいかに困難か、落ち方など状況でどれだけ変わるか、一瞬で判ります。

しかし本作での「穴に落ちる」描き方自体はいただけない。身長より高い穴に落とされれば、普通はイテテでは済みません。もちろん最大の問題は、作り物を観て真に受ける人々なのですが。
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2011年09月01日

8月に観た映画まとめ

Facebookは毎日投稿するには実に便利です。8月分は以下。

ハート・ロッカー

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2004年夏。バグダッド郊外。アメリカ軍爆弾処理班の若者3人の38日間の任務を描く。
明確で筋道だった物語はなく、「戦争モノ」というより「戦争」を描こうとしたのかな、というのが率直な感想です。
通常、物語では「その現場に放り込まれた人間は、何を感じるか」が大きな焦点となります。ですから、普通は知らない仕事や場所というのは、それだけで魅力になる。その「現場」の最たるものが戦争で、そこに行った者にしか判らないことは多い上に、戦場の中でも特定の地点・状況に入った者でないと判らないことがあります。
しかし外部の者は、それを想像すらできません。ですから大抵は「人の生き死に」だけを考えます。しかしそれでは生き残った者が抱える問題が見えません。私はイラクに行ったことはないので、本作が描くものがリアルかどうかは判りません。
が、ただ「生き残った者の問題」を抽象的な心理描写に頼らず、「現場」を乾いた視線で描いたのは大したものだと思います。

恋とニュースの作り方
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長年勤めた地方局をクビになり、なんとか全国ネット局の超低視聴率番組のプロデューサーとなった主人公。番組を立て直すため憧れのベテラン報道キャスターを抜擢するが、これがとんでもない頑固者。視聴率も下がるばかり。打ち切り宣告を受けた主人公は、視聴率を上げるため奔走する、というお話。
仕事だけの人生なんて虚しいだけ、けれど着実にキャリアアップして向上したい、自分という存在をこの世界に輝かせたい、もちろん自分の全てに理解のあるパートナーもいなきゃ! という欲張りさんな主人公です。
恋にお仕事、ふたつ同時に試練を受けて、人間的にも成長する。まさに直球ど真ん中、王道まっしぐらのコメディ。この手の作品に興味のない人は、最初からタイトルで避けるでしょうから問題なし。後くされなく、軽く観て楽しめる良作でした。
ただ最近、男が主人公でこういう作品ってあまりない気がします。ウケないんでしょうか。「摩天楼はバラ色に」とか大好きなんですけど。

パーフェクト・ホスト 悪夢の晩餐会
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指名手配中の銀行強盗である主人公が、正体を隠して豪邸に逃げこむ。しかしそこの主人は恐ろしい秘密を隠しており、「恐怖の一夜」が幕を開ける、というお話。
悪党とはいえ凡人の主人公が、ハンニバルやアニーやジェイソンの自宅をわざわざ訪問しちゃったようなものです。
ただしやってきた強盗を無理やり歓迎し、延々と続く豪邸主人の独演会はかなりアホらしいです。「ミザリー」みたいな胃が痛くなる展開ではありません。特にプールで一緒に泳ぐところなどは爆笑必至。
普通なら強盗に押し入られた家主に同情するところなんですが、あまりにも運の悪い強盗がかわいそうになってきて、ぜひとも逃げてほしいと思えてきます。人間というのは勝手ですね。
しかし面白いのは前半60分。後半30分はどんでん返しといえば聞こえがいいですが、「こんなオチはどうだ」「それだと矛盾が」「じゃあこうする」といじくり回す内に訳のわからん話になったという印象です。一応、辻褄は合ってるようですが。

クワイエットルームにようこそ
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フリーライターの主人公。目覚めると閉鎖病棟で手足を拘束されている。やってきた恋人に聞くと、どうやら睡眠薬のオーバードーズで倒れたらしい。なぜこんなことに? 自分は何をしたのか? というお話。
精神病院にいるまともな主人公、というと「カッコーの巣の上で」を思い出しますが、こちらは途中から主人公もまともじゃなかったことが明らかになるという、ミステリー仕立てとなっております。
ただし重い話題を軽いノリで料理しているため、当初は明るい気持ちで作品に入り込むことができます。主治医として庵野秀明が出てきたのは驚きました。
前半はブラックユーモアとして笑っていられますが、だんだんもの悲しくなってきます。ただし最後はさわやか。
蒼井優が拒食症?患者の役で出ていますが、ただ痩せてるというだけでなく、何か恐ろしいものを背負っているようだがそれを表に出さない女、という難解なオーラをまとっていて、「出来る女優」というのは凄いなと感じ入りました。

ザ・ロイヤルテネンバウムズ
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ビル・マーレイつながりで。
かつての「天才一家」テネンバウム家は、父親の過ちで崩壊。20年後、父の策略で再びひとつ屋根の下に集った一家が、家族の絆を取り戻すというお話。
家族ドラマというのは、基本が「どこにでも、誰にでも起こりうる日常的なお話」がベースです。しかし本当に普通だったらドラマにならない。
家族というものは、帰る場所であると同時に、人々を不合理にしばりつけるもの。それは鳥かごのようなもので、扉が閉まりっぱなしでは飛べない。鳥として翼をひろげて大空を飛びたいけれど、荒れ模様や天敵で死にかけることもある。だから時にはカゴに帰りたいときもある。だから鳥かご。本作でも「ずっと閉じ込められている鷹」がいて、その解放が象徴的に描かれます。
で、家族というのは一番敵対する者こそが、実は最も相手を気にかけている。アンビバレンツというか。最もダメ人間な奴が、家族にとって最も大事な結節点となるわけです。
画面がすごく計算された不安定さ(カメラが揺れてるとかじゃなく、常にどこか何かしらしっくりこない)があって、かえってそれが気持ちいい感じがします。

知らなすぎた男
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レンタルビデオ店員の主人公が、ロンドンの弟を訪ねる。しかし構ってられない弟は、主人公を演劇体験ゲームに放り込む。しかし謀報部からの電話を間違って受けてしまい、周囲に殺し屋と勘違いされてしまう、というお話。
勘違いシチュエーションコメディの金字塔ということでタイトルだけ知っていて、観ていなかった。
主役のビル・マーレイのたたずまいが良くて、少々強引だったり不自然だったりしても、こいつならしょうがないという空気をまとってます。そこがすごい。
警察、諜報部、外務省、殺し屋、拷問魔などと次々に現れるが、本人は芝居だと思ってるから平気の平左。やっぱり男は「堂々としてる」ことが大事だな。ものすごい危機の連続なのに、自信満々で切り抜けていきます(本人は切り抜けてる自覚がない)。最初から最後まで笑わせていただきました。
しかもコメディだからって容赦せず死人が出るのもいいです。三谷幸喜の「ザ・マジックアワー」を観て、面白いんだけどなんか物足りない、なんか違和感がある、と感じてたんですが、僕が観たかったのはこういうのです。

バンクジョブ
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面白かった!
1971年ロンドン。ある女性がドラッグ所持で税関で捕まる。彼女は罪を軽くする見返りに、銀行の貸し金庫にある王室スキャンダルの写真を盗み出すよう、英国秘密情報部より要求される。彼女は主人公たちを引き入れ、地下道を掘って金庫に押し入る、というお話。
ベースは実話だそうです(捜査情報は2054年まで封印)。銀行襲撃というとお金と思いがちだが、貸金庫はそうじゃない。裏帳簿や闇情報などなどが秘匿される場所でもあるわけだ。で、主人公は女にだまされ、金銀財宝を盗むつもりが、触れちゃいけない秘密を握ってしまう。しかし基本が素人集団だから、そこらじゅうでボロが出る。安心できず観客はハラハラしっぱなし。容赦なく人は殺され、絶体絶命がある。敵組織は複数。しかし主人公はからくも危機を切り抜ける。たまりません。
あとやっぱり、ジェイソン・ステイサムのヒゲがすごい。日本人でこんなヒゲ生やして二枚目ができる人、いるかね。一見の価値あるヒゲです。

小説家を見つけたら
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物語の冒頭は、最近あまり観なかった感じのかなり静かな展開。ただしそこはショーン・コネリーの「俳優力」みたいなものがあって、彼が演じる小説家と主人公の黒人少年がどう絡むのかという興味が、作品を観る持続力となって作用します。大物俳優の使い方としては非常に正しい。ということは、つまりショーン・コネリーがいなかったら、ちょっと心配になるお話ではあります。
全体的に「じわじわくる」話で、ものすごく感動するというものではありません。
ただ人間が最も感動する要素のひとつに、「秘された功績を周囲が認め、賞賛すること」があるのですが、それを強調するがあまり、主人公の敵であるクロフォード先生を、必要以上にコケにしている感もありました。
ラスト、急に端役でマット・デイモンが出てきて驚きます。なんだかんだ言ってハッピーエンドです。こういう映画はそこが重要なところです。

バンテージポイント
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スペインでサミットが開かれ、広場の演説で狙撃事件発生。アメリカ大統領が銃弾に倒れる。その23分間を8つの視点から描き、SPの主人公が犯人を追いつめてゆく、というお話。
暗殺現場を複数角度・視点から描写し、同じ映像を何度も何度も使う非常に省フィルム仕様となっております。ただ予告を観た時は、複数のカメラ映像を組み合わせて頭脳を駆使した謎解きをするのかと思ったのですが、単に複数視点で全員の立場を説明し、観客が2回観なくても1回で全部判るという親切設計なのでした。
なんとなく「24」や「ロスト」といったアメリカTVドラマの手法のような気がします。すごくややこしいことしてるようで、実際はそうでもないという。
しかも後半は謎解きもへったくれもなく、カーチェイスの迫力映像で押し切ります。
ラスト、バラバラだった登場人物がうまいこと一堂に会します。脚本家はもはやパズラーですね。
見終えてすっきりして、すぐに忘れる。そういう作品です。

バルトの楽園
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第一次大戦で中国山東省・青島を根拠地としていたドイツ軍。日本軍との戦闘に敗れ、捕虜4700は全国の収容所に送られる。その中のひとつ、四国は板東俘虜収容所での日独の交流を描くお話。
キャストは豪華だし、戦闘シーン(ものすごくショボイ)以外はきちんと作っていると思うのですが、いやに手作り感があります。とってつけたような展開や俳優への演出不足と思われるシーンも多く、つまりは下手なんです。小学校の体育館で観た文科省推薦マイナー作品の匂いがします。しかし昨今のテレビ映画のような「映画なめてる」感はありません。有名無名の人々が手弁当で集ったような、妙な「楽しさ」にあふれています。
捕虜の中には神戸の菓子店ユーハイム創業者である、カール・ユーハイムと思しき人物もいます。ドイツ人捕虜は他にも日本永住を選んでいて、銀座「ローマイヤー」や、日本ハムの前身である徳島ハムなども彼らの手によるものだそうです。
しかし反戦映画としては一級品です。大事なのは戦争の悲惨さや自己犠牲を伝えることではなく、人間同士が信じ合うこと。そして文化・芸術には言語を超えた力があること。
日本人に必要なのは海外を学ぶこと以上に、自国を知ることでしょう。ラストのカラヤンは正直言ってダサいですが。

パコと魔法の絵本
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舞台は病院。お金持ちの偏屈ジジイ・大貫は、ある日パコという少女を殴る。パコは記憶が1日しかもたない少女。そんなパコが、翌日なぜか大貫を覚えていた。ただし殴ったのではなく、頬に触ってくれた人として。大貫は後悔し、少女にできることを考える。それはパコが毎日読む絵本の劇を作ること、というお話。
役者が妙に声を張るし、舞台劇に映像演出をありったけ足したような作品だなあ、と思っていたら、やはり元は舞台でした。良くいえば豪華、悪く言えばごちゃごちゃ。そこが好みの別れ所でしょう。
極端にポップな表現でカモフラージュされていますが、この病院は様々な「弱者」が集う場所。その弱さとは、自らの弱さを認められない弱さ。強くあらねばと思いこむ大人たちの姿です。そんな彼らが各々のトラウマを乗り越え、再生していくのが物語の根幹。しかし筋は明解で、子供向けと言えなくもありません。
ラストは、これで良かったのだと思えるいい終わり方でした。面白かったです。

おまえうまそうだな
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草食恐竜に拾われて育ったティラノサウルスのハート。ハートは成長して自らの矛盾を悟り、群れを出ます。そんなハートがアンキロサウルス(草食恐竜)の赤ちゃんと出会う。ハートが「おまえ、うまそうだな」。すると赤ちゃんは「ありがとう。『ウマソウ』ってとってもいい名前!」
以来ハートはウマソウを食べずに慈しみますが、自分の背負った哀しみを繰り返さないために、ある日「もし俺にかけっこで勝ったら、ずっと一緒にいてやる」。ハートと離れたくないと、一心不乱に走るウマソウ。その背中を見つめ、ハートは反対方向に駆けてゆく。このシーン、子供に付き添った父親客の100%が泣いたはず。
これが中盤です。クライマックスでも良かったかも。
本作のいい所は肉食恐竜がちゃんと、生きて抵抗するエサを食いちぎること。子供向けでありながらごまかしがないのは素晴らしい。
ただバトルシーンがカプコン格闘モノのエリアルコンボみたいになってるのは笑いました。時代でしょうか。

川の底からこんにちは
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仕事も人生も妥協して生きるOLが、ダメ男の恋人・連れ子とともに帰郷。病に倒れた父の営むシジミ工場を立て直す、というお話。
物語として大団円を作るには、まず障害や衝突がないといけませんが、普通はそれをやむを得ない運命や避けがたい誤解などで組み立てます。ところが本作では、その原因が「主人公の妥協」に起因するため、非常にイライラさせられる。ただし物語が中間点を越え、主人公の人格が変貌し始めると俄然面白くなります。ほんと面白い。終わりよければ全て良しです。
ただ個人的には、主人公は脱力した無気力系で、周囲は理不尽に冷たかったりして、会話は基本ぼそぼそで、なんつうか?オフビート?っていうんですか?みたいな作品はちょっと、うんざりかなあと。
かつて漫才界にダウンタウンが登場して、若手のボケがみんな斜に構えたシュールな体に染まったように、映画もそういう流れがあるんでしょう。本作は前半がそういう古い感じです。過渡期なのかもしれません。

酔いがさめたら、うちに帰ろう。
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西原理恵子の夫で、アルコール依存症だった場カメラマン鴨志田穣の原作を映画化。浅野忠信の自然体演技が痛々しさを感じさせず、なんとなく画面をいい感じに「ぬるま湯」にしていて観やすい。奈良漬け食べちゃって、そこからビール、日本酒と飲んじゃう流れがすごくいい。いい食べ方するんですよ。何度も繰り返し観ちゃいました。あと精神病院入れられて、胃腸やられてカレーが食えないというシーンは笑える。
本人がアル中ということもあって、たまに非現実的なシーンが入るんですが、やり方が上手なので言葉で説明しなくてもきちんと場面の説明になっている。台詞よりも映像で表現するというのは映画の基本だと思いますが、それをさらっとやってます。
でも言わなきゃわかんない人もいそうな所(たとえば奈良漬けはお酒入ってること等)は、小さくつぶやいて説明したりして、ほんと親切。
日本映画って、金のかかってない作品は面白いんだよなあ。なんでだろ?
あと「毎日かあさん」の読者としては、この息子が将来からあげ食いまくるのか、とか妙な「西原家サーガ」的な広がりを感じ、ファン心理としては嬉しいかぎりです。

トロピック・サンダー 史上最低の作戦

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ベトナム戦争の回顧録を映画化しようとしたが、うまくいかない監​督が一計を案じる。
それはジャングルに俳優を送り込んでドキュメ​ントタッチで撮影すること。しかしそこは本物の戦場だった。そう​と知らない俳優たちは作り物と思い込んで演技続行、というお話。
冒頭のパロディ予告編から本気の作り込み。そして最初のエピソー​ド、あまりのことに度肝を抜かれました。そこのグロ展開がこの映​画の関所で、そこが笑えるなら全部笑えます。私自身はジャングル​突入あたりから一気に物語に入り込めました。ベン・スティラーは​あまりアクションスター役に見えませんが、立ってるだけで笑える​人なので許せます(というより彼が脚本主演監督だからしょうがな​い)。
こういう「莫大な金をかけて本気でふざける」のが、ハリウッドの​凄さですね。全てのシーンに気合いが入っていて、コメディをなめ​るな、という熱いものを感じました。
あとショーン・ペンへの悪口?が「確かになあ……」と思ってしま​った(笑)

P.S.アイラブユー
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死んでしまった夫から、毎日一通ずつ届く手紙。そこに書かれた指示に従って、徐々に前進していく女性のお話。
夫役のジェラルド・バトラーがいきなり死ぬので驚きますが、お役御免というわけではありません。これはもう、設定の勝利。こんな設定を出されたら誰でも泣くでしょ。
ただひたすら泣かすというわけでもなく、たまに「えっ」と思うような下品さや皮肉があって、過度に孤独であったり悲劇であったりせず、S&TC的な欧米女性をうまく中心に据えていると思います。泣けるんだけど、ニヤニヤが止まらない映画。
これはカップルで見ると、男性の器を見る試験紙になるかも。狭量な男性は、おそらくこの物語を受け入れません。なぜならこれは主人公が次の人生へ向かうためのステップであって、単純に一途な女性像を描くものではないから(俺は狭量だからよく分かるのだ)。
死ぬ者にとって相手は全てだけど、生き残る者にとっては一部でしかないし、そうではなくてはいけない。もし俺が死んだら、俺のために生きたり、俺のために死んだりするんじゃないよ……なんてクサいことを言いたくなる映画でした。
あとキャシー・ベイツは笑うと美人だという発見がありました。

シャッターアイランド
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精神疾患のある犯罪者の刑務所「シャッターアイランド」。そこで​行方不明になった患者を探す保安官のお話。
最後はもの悲しいです​。 一言で言うと〈ドグラ・マグラ〉。精神病院モノというのは大別す​ると、
1,いろいろあったけど、ふりだしに戻る
2,ぜーんぶウソでした
3,いきなり正気になった、なんかスミマセン
ぐらいに分類できると思います。
本作はやたらと前宣伝で「謎解き​」が強調されたようですが(DVDの予告編で連呼してた)、たぶ​んそういう作品じゃないでしょう。1回目観て「え?」と思い、2​回目観て「うぉーっ」となればそれでいいんじゃないかと。
ディカプリオ扮する主人公がスタッフを集めて尋問するシーンや、​患者からメモを渡されるシーン、看守たちが崖を捜索するシーンあ​たりでいろんな発見ができて面白かったです。
気になったのは洞窟​に隠れていた某女性で、彼女の事情をよくよく想像してみたりする​と、おっそろしいなと思わされました。面白かったです。

奇跡のシンフォニー
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孤児院で育った少年が、まだ見ぬ両親の奏でる「音楽」に導かれてNYへ。
そして多くの人々に助けられ、才能を見いだされ、両親と奇跡の再会を果たす、というお話。主人公は演奏も作曲も独特な音楽の天才なのですが、とにかく終始ポケーッとして、人の話を聞きません。けれど天才だから許されます。いいなあ、天才は。
出会う人がみんないい人で、主人公のためにかけずり回ります。
ボケーッとしてるのは天才だからかと思ってたら、産みの親も結構ボケーッとしてます。単に生理食塩水の濃さからくるものだったんだな。
で、この映画がすごいのは、「天才少年による音楽」をちゃんと演奏すること。これ、実はすごく難しいことですよね。
たとえば天才画家を描く映画があるとして、監督がどんな絵を用意しても「これが?」と思う観客はいるわけです。けれど本作はそれをババーンとはっきり表現していて、しかも割と納得のいくものでした。ちなみにテーマ音楽担当はハンス・ジマー。

センター・オブ・ジ・アース
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僕が好きな小説に、ポーの『ナンタケット島出身のアーサー・ゴードン・ピムの物語』や、その続編であるヴェルヌ『氷のスフィンクス』、ラヴクラフト『狂気の山脈にて』、はたまたドイル『ロストワールド』といった大冒険ものがありますが、中でも何回読んだか判らないのがヴェルヌの『地底旅行』です。
で、この映画はその「地底旅行」の現代版子供向けリメイクといった所。
元の「地底旅行」には、人物のひとりが地底で迷子になるシーンがあって、そこが本当に怖くて、今読んでも恐ろしいんです。しかしこちらで同じことがあっても、常にうまく進むので危機感がありません。都合良く行くんだろうな、と思ったら全くその通りで期待を裏切らない。
元は3D上映だったようで、そう知っていれば納得のシーンが多いです(大きい物体が不自然なまでに、やたら画面正面に向かってくる)。
良くも悪くも子供向けの「空想科学大冒険」。細かい部分はおいて、童心に返って楽しむ作品だと思います。

小さな村の小さなダンサー

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神戸に戻ったので、また映画観てます。中国山東省から北京舞踏学​院に選抜され、そして米国へバレエ留学。そこでアメリカ人女性と​結婚し、亡命を選択した李存信の実話を映画化。
先祖代々貧農で兄弟も皆、農民になるしか選択の余地がない。そん​な境遇から脱出するには、抜きんでた才能を「発見」されること。​そして見いだされた少年少女は仲間たちと切磋琢磨し、恋をします​。けれど「才能の差」は歴然とあって、どれだけ想い合っても、レ​ベルが違えば離れていくしかない厳しい世界。それはアメリカに留​学しても変わりません。
終盤、ついに亡命した主人公を認めた中国政府は、両親をアメリカ​へ向かわせます。そしてサプライズとして主人公の舞台を両親が観​賞するんですが、なぜこんな変な演目を?とは思いました。現代舞​踏に慣れていれば普通なんでしょうが、門外漢の私には、感動が若​干さめる効果がありました(笑)。
けれどいい作品なのは間違いないです。主人公を演じる方の踊りも​素晴らしい。

紀元前1万年
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今日は鈴鹿ですので映画を観れません。そこで以前、あえて書かな​かった作品を。
『紀元前1万年』です。これはすごくつまらない。本当につまらな​いです。『アポカリプト』と似てるのにものすごい格差。割とパパ​ッと展開してるのに話がすごく退屈。それでも話をまとめられない​からナレーション頼り。
そもそも主人公の住んでた地域は雪が残る高山地帯で、八甲田山み​たいな雪山越えをするんですが、すると次は広大な砂漠。一体ここ​、地球のどこだったんですか?
で、大河を渡ると敵部族の大都市がある。これが笑っちゃうくらい​メガシティ。
お話の冒頭で、そこの敵部族が馬に乗って主人公の村​を襲います。あの大河、砂漠、雪山を越えてきたわけですよね。た​かが数人の男女を奴隷にするためにどれだけ苦難を乗り越えてきて​るんすか。
そこら辺から何度も寝落ちしたので、頭カラッポで撮影したとしか​思えない落とし穴シーンなどあって笑いましたが、何か言えるほど​記憶がありません。

ベスト・キッド
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リメイク版。「ウィル・スミスの息子が北京に行って、ジャッキー​・チェンにカンフーを習う」って、それのどこが「The Karate Kid」なんじゃい!と言いたくなる本作ですが、かなりいいです​。
話の筋はそのままに、うまく換骨奪胎してます。何より主役のジ​ェイデン・スミスの身体能力が素晴らしい。
僕が小学生の頃、毎週どこかのチャンネルでジャッキー映画を再放​送していた気がします。つまりそれだけ観ていたわけです。そんな​ジャッキーがハリウッド進出してからは変なコメディばかりやらさ​れていて、忸怩たる思いがありました。
しかし本作では、ジャッキ​ーがハリウッドで渋くシリアスな役をやっている……そして、子供​時代の憧れだったジャッキーが、年をとって師匠となり、後継者に​その精神を伝えようとしている……そのダブルパンチで思わず目頭​が熱くなりました。
しかし主役は完全に少年です。ジャッキーに食われず、苦難に打ち​勝つ少年を見事に演じています。お見事です。

狼たちの処刑台
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マイケル・ケイン主演のハードボイルドな復讐もの。前半は復讐に入るまでの「理不尽な仕打ちに耐える高倉健状態」なわけですが、そこの抑えに抑えたトーンがかっこいい。荒涼とした、寂寞たる映像が主人公の孤独感を表現しています。
そして後半、愛する妻を失い、親友を失い、遂に男は復讐の鬼と化す!
そんな男の姿にテンションが上がらない野郎なんているのでしょうか。たとえ女に鼻で笑われようと、男はこういうのがたまらない。
こうなってくると後半の復讐がどれだけ「燃えるか」が重要になります。
しかも主人公は元海兵隊員とはいえ足下もおぼつかない老人。さらに肺気腫も患い、セガールやブロンソンのような超人的活躍ができるわけじゃない。その弱々しい生身感がこの物語をさらに渋くしています。
また復讐もので大事なことは、「それを追う、または見守る女性がいる」こと。もちろん本作はぬかりありません。
ラストもすっきり。これはいいですよ。

アウトレイジ
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北野武のヤクザ映画。ぼったくりバーのトラブルから、ヤクザが怒鳴り合って殴り合って殺し合う。
表向きはガチだけど実はプロレスだったり、かと思えばプロレスと見せかけてガチのやり合いだったり。
どの登場人物も必ず「コラァ」っていうので、何回言うのかなーって数えてみようと思ったんですが、あまりにもコラコラ言うのでやめました。
ヤクザに就職すると大変だなーと思うんですが、それ以上に飲み屋さんで働く女性は、すぐ横でコラコラ問答されまくりなわけで、もっと大変ですね。
全体的に画面の安定感がすばらしく、見ていてすごく気持ちいいです。音(音楽じゃなくて場面の生活音)がいいのかな。専門的なことは判りません。
またこれは、ヤクザとちょっとでも係わると、いずれとんでもないことになりますよという教育映画ですね。
文科省推薦でどうですか。
あと、ラーメン屋の奥で、遠景でニヤ〜ッと笑う椎名桔平がすごくいいです。その後のお箸の使い方はよしていただきたいですが。
タグ:movie
posted by tk219 at 14:49 | Comment(0) | TrackBack(0) | 映画・小説・漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月02日

7月に観た映画まとめ

先月から毎日1本ずつ、ちまちまfacebookの方で書いてます。
で、その最初の7月分は以下。

ペルシャ猫を誰も知らない

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イランの若者たちを描く青春群像劇。ちゃんと物語はありますが、​ほとんどドキュメンタリーのような映画。片田舎で純真な少年が、​みたいな「よくある中東映画」とは違います。
西洋音楽が厳しく規制されているイランでは、ロックは純粋に「俺​たちには叫びたいことがあるんだ!」というメッセージを表現する​手段。けれど許認可や検閲の壁があって、本当に言いたいことが表​現できない。
西洋化には当然キリスト教の浸透がついてくる以上、イラン政府の​やり方を一概には責められません。しかし自由を求め、やりたいこ​とに向かって疾走する若者たちの日常、そして現実は、それを映し​出すだけで充分すぎるほどドラマチックだし、その姿はまさに「ロ​ック」。
やってることは違っても、幕末日本や革命前のトルコ、壁が崩壊す​る直前の東ドイツ、そういう「何かが胎動している、もうすぐこの​日常が全て変わる」世界とはこういう感じかもと思いました。
ただラストシーンはびっくりします。あまりの展開に。

リミット
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イラクに派遣されたアメリカ人トラック運転手が突然襲われ、気づ​いたら土中の棺に監禁。さあどうする?というお話。登場人物は1​名。あとはライターと携帯電話だけ。95分間、主人公はひたすら​電話をかけまくります。
政府はチンタラしてるし、会社は法律を盾にしてくるし、友人は買​い物に行っちゃうし、奥さんは留守番電話でどいつもこいつもイラ​イラさせてくれます。ただし主人公の行動は理解できます。ありが​ちな「突っ込みどころ満載のお馬鹿な行動」はありません。そこは​いいところ。しかしラストがひどい。さすがヨーロッパ映画。
よくもまあ、棺の中だけ、登場人物1名だけで90分超も飽きさせ​ず、時間をもたせたなというところは偉いと思いますし、最後に観​客を悩ませる謎を投げつけてきて、「もしかして、面白かったのか​も」と後を引くように仕向けてくるあたり、実にテクニカルだとは​思いますが、純粋なエンタテイメントじゃないです。社会諷刺とい​うべきか。

ピンク・フラミンゴ
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いわゆる「世界一下品な悪趣味映画」。ノーカット版で観ました(全然​嬉しくない)。
世界一下劣な家族と、その名声を妬む下劣夫婦による下劣な戦い。​これが本当に最低で最悪で、汚く、気持ち悪く、意味が判らないバ​トルに仕上がっています。
同じ悪趣味映画でも「ソドムの市」だと、下品さがある程度物語上​の意味がありますが、こちらは本当に訳が分からない。真剣に「何​やっとんじゃ?」と思うシーンがいくつもありました。
ただ全編に渡ってシーンがものすごい長回しで撮られているため、​こんな下らないことを大真面目にやっているという事実はひしひし​と感じさせられます。役者陣はさぞセリフ覚えに苦労したことでし​ょう。○○ダンスの場面では、本気で「いつまでやっとんねん!!​」と叫んでしまいました。
京都みなみ会館のオールナイト上映あたりで、みんなでワイワイ観​るにはいい作品かも。まあ、大半の方には無駄な時間になると思い​ますが、人によっては人生観・価値観が変わるかもしれません。

海角七号
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台湾で記録的大ヒットとなった『海角7号』。台湾最南端の町を舞​台に、日本統治時代の悲恋と、現在の台湾人青年、日本人女性の出​会いを描くお話。
前半の展開は退屈でしんどいですが、台湾の下町や、台湾人の地元​気質みたいなものが見えるのは楽しいです。
で、後半に入ると、前半でぐだぐだやってた伏線をまとめ始めて盛​り上がってきます。ただ随所に変なところがあって冷める。冷める​んだけれども、まあそんなに嫌いじゃありません。
しかし物語が4分の3ほど過ぎたあたりで、60年以上前に日本人​教師の男性が、恋人の台湾人女性にあてたラブレターの一節が読ま​れます。
そこの「君を捨てたんじゃない、泣く泣く手放したんだ」で、冷静​に作品を観るリミッターが外れました。
物語的にではなく、台湾の人がこの物語にこのセリフをなぜ入れて​きたかという意図、映画の背景にあるいろんな歴史や心情に心を揺​り動かされました。もうそれだけ。そういう作品です。

バトル・オブ・シリコンバレー
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映画じゃなくてTVドラマ。邦題は「バトルオブシリコンバレー」​。アップルとマイクロソフトの創業物語。東海岸の秀才ゲイツと、​西海岸のヒッピー・ジョブズの対比が面白い。
2人に共通するのは、起業時はどちらも貧乏なガレージカンパニー​でも、有能な友人がいたこと。IBMを徹底的に敵視するジョブズ​と、IBMをだましてのし上がるゲイツ。やり方が違っても、根本​は同じ。そしてどちらも他人の物を平気で盗む。その様をあっけら​かんと描くのがすごい。
ただこの物語を観て、ジョブズに人間的魅力を感じるのは難しい(​最終製品があってはじめて見方が変わる)。逆にゲイツはすごく魅​力的で好感が持てる。
後のジョブズの演説で「自分で作った会社から追い出されるなんて​、信じられなかった」という一節がありましたが、そりゃ追い出さ​れるわ。他人の踏みにじり方、恨みの買い方が半端じゃない(いろ​んな媒体での証言からして、たぶんどれも実話)。ジョブズは遠く​にありて想ふもの、ですね。

キング・オブ・コメディ
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昔「タクシードライバー」を​観て、いつかこれも観ようと思ったままになってました。
34才コメディアン志望の男が、スターに憧れて執拗につきまとう​。ついにはスターを誘拐して「キング」になろうとするお話。彼が​何度も妄想するのは「芸がウケる」自分よりも、「売れっ子になっ​て世間にちやほやされる」自分。
自宅で母親にうるさいと言われながら、テープに漫談を吹き込む。​それもただネタを吹き込めばいいものを、本物のテレビショー風に​BGMやMCを入れたりする。「このおっさん、完全にイカれとる​な」とは思うが、普通はその「痛い妄想」で終わるところを、この​主人公は「痛い行動」で具体化してしまった。だからその狂気に悲​哀を感じてしまう。主人公がスターに憧れる気持ちが理解できるだ​けに、観ていてつらくなってくる。
そのためラストの「どん底で終わるより、一夜の王でいたい」は泣​いてしまいました(よく泣く私)。やはり観てよかったです。

フローズン・リバー
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主人公はアメリカ・カナダ​国境の1ドルショップで働く二児の母親。夫は金を持ち逃げして失​踪。車を盗まれたことをきっかけに、原住民の居留地と凍りついた​川を使ってアメリカへ不法入国させる手伝いを始めるというお話。
深い雪に包まれた田舎町。しかしそれは銀白の雪原ではなく、雪解​けた泥水のぐちゃぐちゃした、グレーな世界。疲れ切った女のくた​びれたタトゥー。錆びた手製のメリーゴーランド。
出てくる人たちは心底の悪人じゃないにしても、ただ愚かしく、「​たぶんいつまでたっても、この状況から誰も抜け出せないんだろう​な」と思わせる。スタートもゴールもない。地平線の向こうまで何​もかもが曇り空。そこそこ楽しいこともあるけれど、振り子のよう​に必ず不幸がやってくる。そんなもんだよ人生は、と達観するには​あまりに澱みきった世界。そんな物語でした。好みが別れると思い​ますが、面白かったです。

アンストッパブル
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冒頭「実話にインスパイアされて作りまし​た」と字幕が出る。無人列車が暴走しちゃうお話。
人物はデンゼル・ワシントン以外の現場職員が全員バカ。しかもバ​カの自覚がなくて、真剣な顔で偉そうにバカをやるからどうしよう​もないバカだらけ。あっちもバカ、こっちもバカ。本社から車から​線路から上空から、そこらじゅうからバカが大量参戦。バカのミス​で事件開始、バカがそれを加速させ、バカが対処するから解決しな​い。別の場所でもバカがバカやって事態が悪化。
最初の接続作戦、なぜヘリから降ろす? 先頭機関車に乗せときゃ​済んでる話だろうが。ラストの「飛び乗り」も同じ。別の職員にや​らせんかい。この鉄道会社、職員が5人ぐらいしかいないのか?
実話を持ち出してこのバカさ加減ですから、実物も相当なものだっ​たんでしょう。
ただ「止まらない列車」は映画と相性がいい。「人間はバカである​」という悟りさえ開けば楽しめる作品です。

優しい嘘と贈り物
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涙もろさでは定評のある私です​が、この物語の「仕掛け」に気づいたのが始まって45分頃(気づ​くのが遅い)。判ってからは、ラストまでずっと涙腺が壊れっぱな​しでした。これはいわば、純愛ミステリーとでも言いましょうか。​未見の方は、あらすじなど読まずに観てください。
お話のタイプとしては『きみに読む物語』などと似てます。
原題は「Lovely,still」。これがすごくいいだけに、​邦題は惜しい。
恋愛なんて若い時分は燃え上がって当たり前。年老いて枯れきって​なお世界でただひとりを求める、それが真の純愛でしょう。人は常​に他人に求められること、認められることを欲していて、そして純​愛は「君がそこに、ただ存在しているだけで自分は幸せなんだ」と​いうこと。つまり認められること、求められることの究極の姿。だ​から人はそれに憧れる。いいお話でした。

レッドクリフ Part I & II
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これまでNHK人形劇や多くの漫画で日本ナイズ​された三国志に触れすぎてきたせいか、画面がほとんどおっさんで​疲れました。その上、話がチンタラしていて退屈。パート2は面白​いんでしょうか。1回目、寝落ち。2回目、面白くなくて途中で停​める。3回目でやっと最後まで観ました。
途中、孫権が「逆らう奴はこうだ!」と机の端っこをちょびっと切​るシーンで笑いました。もっと豪快に切りましょうよ。
また曹操の側近たちが周瑜を「音曲にかまけていたような奴が、軍​を率いるのか」と侮るシーンがあるんですけど、芸術に卓越してい​た曹操の横でそんなこと言うのかな?
あとラストの九官八卦の陣。個々の戦闘アイデアが、ブラッド・ピ​ット主演の『トロイ』からずいぶん影響を受けてるなーと思いまし​た(女性ひとりをめぐる戦争になっちゃってる所も)。全体的には​ダルい作品でした。

LINK
Part Iと変わらず、どうも緊張感が足りない。
蒋幹がらみのエピソードは、もはやギャグ。なんで周瑜からこっそ​り盗んだ手紙を、その場で音読するんだよ。ホームラン級のバカだ​。その後、曹操が蔡瑁と張允を殺せと命じるも、すぐにだまされた​と気づく、でも振り向いたら処刑済でしたなんてシーンは、笑うな​という方が無理。そもそも周瑜って「君子の戦いだから、汚い真似​はできない!」って言ってなかった?
次に笑ったのが、みんなが周瑜にお団子を分けるシーン。古今東西​、「食べ物を分かち合う」のは結束を高める意味があるわけだ。で​、周瑜は山盛りにさせられたお団子を無理やり一気飲み。すごい(​笑)
作品はやはり全体的に間延びしていて、観ているこちらは眠りそう​になるか、画面にツッコミを入れるかのどちらか。クライマックス​の水上戦闘になった頃には、もうどうでもいい気分でした。

インビクタス/負けざる者たち
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南ア大統領、ネルソン・マンデラが27年間の獄中生活で、どれだ​けの「大戦略」を練ってきたか、それを個々の戦術にどう反映させ​たかが判る作品。個人的は、これまで様々な「戦略家」を間近に見てきたせいか、マンデラの一​貫した「人たらし」たる言動とその意味が「ああ、わかるわかる」​の連続でした。
作品としては見事な対比構造。オープニング、一方は綺麗な芝生で​白人の子供たちがラグビー、道路を挟んだ一方は荒れ地で黒人の子​供たちがサッカーをしていて、そのど真ん中をマンデラが駆け抜け​てゆく。作品のモチーフ、そして後に語られるテーマの前提を完璧​に表現してました。上空からの視点が多用されているのも印象的で​、これまた作品のテーマに通じる。イーストウッドはマジで神がか​ってますね。

ランボー/最後の戦場
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なんだか全編、猪木の「バカヤローッ」が聞こえてく​るような作品でした。
途中、ランボーが森の中を激走するシーンがあって、ただ走ってる​だけなのに「すげえ……」と思ってしまうのは、やはり僕がスタロ​ーン好きだからでしょうか。『ロッキー・ザ・ファイナル』はすご​く丁寧に作ってる感じがしましたが、こちらはあえて乱暴(洒落じ​ゃない)に作ってるような。お話は単純で、ぶちかましてあっさり​終わります。ほんと「バカヤローッ」っていう感じ。
ファンじゃない人には、つまらない作品かもしれないです。そんな​人は、最初から観ないか。

しあわせの雨傘
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雨傘会社の社長夫人(カ​トリーヌ・ドヌーブ)が、倒れた夫にかわって会社運営。それまで​ジョギングとポエム作りしかさせてもらえず、家族から「飾り壺」​扱いだった夫人。そんな彼女が自分の本当の居場所、本当の人生を​勝ち取るために紆余曲折。飾り壺の人生、でもそれはいろんなもの​を受け入れる「大きな器」だった、というお話。
一番面白くなるはずの「会社再建」エピソードがほとんどないのが​残念ですが、全体としては、主人公の「実は奔放な性格」ぶりが楽​しい。世の男たちは「若い女性を求めてる」なんて言いますが、そ​うじゃなくて「元気な女性」を求めてるんじゃないのかなあ、なん​てことも思いました。
ラストは主人公による「人生は美しい」の大熱唱。ディナーショー​みたいで笑ってしまった。

人生万歳!
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圧倒的なセ​リフ量の作品。それがいちいち面白い。
天才だけどバカな男と、バカだけど天才の女。登場人物の誰もが他​人の話を聞かない奴ばかりの中、特に聞いてない2人が出会う。
後半の怒涛の展開もいい。なぜなら人は、ハッピーエンドのためな​ら相当な強引さも受け入れるから。ただそのためには、登場人物に​十分感情移入できていないといけない。その点、私は問題ありませ​んでした。結論としては「人生、どうでもいいよ」と「人生、どう​なっても素晴らしいものだよ」の邂逅とでもいいましょうか。
ちなみに最近観た『リトルミスサンシャイン』『ローラーガールズ​ダイアリー』、そしてこの『人生万歳』に共通する点が。どうやら​「アメリカの田舎の母親は、娘を地方の美少女コンテストに出場さ​せたがる」ようです。

リトル・ミス・サンシャイン
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ヘロイン中​毒のエロ祖父、うまくいかない自己啓発オタクの父、一言も話さず筆談ですませる反抗期兄、ゲイで自殺​未遂を起こした学者叔父、ヘビースモーカーの母、そして主人公の​少女。そんな家族が、主人公の美少女コンテストへ同行する道中で​衝突し、和解し、結束し、そして成長してゆくロードムービー。
これまた開始10分で全員の性格が判る作りになっていて、そうい​う作品にハズレなし! 特に兄がいいキャラしてます。
ラストの展開がどうしようもない(笑)もので、呆れて笑っていつ​のまにか泣かされる。強くなくても、勝ち組じゃなくても、家族み​んなで受け入れて前進するんだという泣き笑いのメッセージ。いい​物語でした。

戦場のアリア
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G線上……じゃない、戦場のアリア。第一次大​戦での実話「クリスマス休戦」を描いた物語。映画のお話自体はあ​んまり……だが、「Great War」の基礎知識があれば泣ける。
それまで、遠い百年近く前のナポレオン戦争の英雄譚しか知らない​若者たちにとって、戦争は運の悪い奴が死ぬ、せいぜい3〜4ヶ月​の話。ところが大戦が始まってみれば、戦場とは数百メートル続く​塹壕の泥に埋まりつつにらみ合い、ただ死ぬためだけに毎日マシン​ガンに向かって突撃する、何年たっても終わらない地獄のような場​所でした。フランスのソンムに行けば、地平線の彼方へと続く墓標​の列を見ることができます。そういう背景を知ってる上で、クリス​マスの一瞬だけ両軍の兵士たちが「ただの若者」に戻って歌を歌い​、酒を飲み、サッカーに興じた、そういう奇跡が実際にあったと判​っていれば、これは実に感動的な物語となるわけです。

ローラーガールズ・ダイアリー

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DVDで『ローラーガールズ・ダイアリー』を観ました。今さらで​しょうが、面白かった。ひとりも悪人はいないのに、ちゃんと人物​の衝突があって主人公の「自立」が描かれていく。
うまいなあと思ったのは、主人公の母親が夫と二人っきりだと、キ​ッチンで片膝ついて煙草を吸うというところ。で、主人公がやって​くると急いで居住まいを正す。たったあれだけのシーンで、後半の​複雑な親心にすごく厚みが増してるように思いました。ドリュー・​バリモア(監督・製作・出演)は偉い!

エクスペンダブルズ
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私の周囲では​不評な作品でしたが、スタローンは脚本家として一流だと思う。だ​ってメチャクチャな展開なのに、そのうえ無理くりオールスターキ​ャストにしなきゃいけないという制限の中、ちゃんと物語が前進し​ていくんだもの。つまり爆発させすぎなどで爆笑することはあって​も、主人公の行動に「おいおい、なぜそうなるんだ?」と疑問を抱​くことはない。
ちなみに観賞中ずっと、私は「むほほほほ」「おっおっおっ」「よ​っしゃーっ」と奇声を挙げていました。面白かったけどなー。だめ​ですかね?

デイブレイカー
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近未来の地球は吸血鬼社​会になってるというSF。血を吸いすぎて人間が絶滅寸前になった​ので、代替血液を開発してる研究員が主人公。こいつが最初から最​後まで眉間にシワ寄せてウロチョロしてるだけで、見事に無能。ぜ​んぶ周囲の人を犠牲をして切り抜けていく。
ラストの解決法も、よく考えたらみんなを治せるはずなのに自分た​ちだけ助かって、でもそんな自覚もなく渋いどや顔でエンディング​。バカは世界を救わないという教訓か。
でも前半の雰囲気作りは良かったので、雑なB級映画が好きな人に​おすすめです。

ソーシャル・ネットワーク
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DVDで「ソーシャル・ネットワーク」を観た。冒頭10分で主人​公の性格や考え方、行動様式が理解できる映画で、面白くない作品​はないと思う。今さらだけど、間違いなく傑作だった。
青春を彩るもの、それは失恋、嫉妬、裏切り、別れ。きっと誰もが​、二度と戻りたくはないのに、どうしようもなく輝いて思い出され​るもの。
ちなみに「14匹のマスを釣るより、1匹のメカジキを釣れってア​ドバイスするだろ?」への、エドゥアルドの「俺がマスならな」が​良かった。こういう切り返し、好きです。

レポゼッション・メン
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近未来、人工臓器のロ​ーン返済が不可能になると、容赦なく臓器を回収される。つまり合​法的(?)な殺し屋の話。「んなアホな……」と思うことが多くて​、あんまり面白くなかった。この物語の設定だと、しょっちゅう臓​器を抜かれた死体が街に転がってるわけで、それは最早「社会悪(​社会の矛盾から発生して、災いを及ぼす害悪)」でしょう。
ただ、これは「悲恋モノ」でもある。もちろんヒロインたるベスの​ことではない。主人公レミーと、親友フランクのだ。つまりBLと​して観るとあら不思議、割とちゃんと楽しめる。BL好きは観てく​ださい。

ゾンビランド
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昨日観たアレに比べると圧倒的​な面白さ。それはキャラクターの行動に無理がないから。バラバラ​の指向を持つ人物たちが、底流に「家族の喪失」を抱えて、いつの​まにか一体化していく。こういうの好きです。殺されてるのに笑え​るビル・マーレイは凄いなと思った。あと美人姉妹のやりくちは本​当にひどいが、これは仕方がない。男は美女に「だまされる」ので​はない。「だまされたい」のだ!

借りぐらしのアリエッティ
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これの製作中​、米林監督は鈴木プロデューサーによってマンションに監禁され、​その居場所は絶対秘密だったという。なぜなら宮崎駿が毎日のよう​に「米林はどこだあぁー!!」と探しまわるからである。もし見つ​かれば徹底的にダメだしをされ、修正され、「宮崎駿作品」となっ​てしまう。『ハウルの動く城』ではプロジェクトが崩壊し、細田守​が監督を降板することになった。それを繰り返さないための措置で​あった。
しかし作品はというと……。スクリプトドクターという職業を、真​剣に検討すべきだと思いました。
タグ:movie
posted by tk219 at 19:01 | Comment(2) | TrackBack(0) | 映画・小説・漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月22日

今年の台湾(2日め午後)

お昼ご飯も食べ終わりましたので、店を出て市内バスに乗ります。

バスは先払いの場合と後払いの両パターンがある。

停留所で待っていて運転席側の扉が開いたら前払い、後ろの扉が開いたら後払いだと思っておけばいいでしょう。

停留所の路線表示で行き先を確認して、バスに乗る。


なかなか激しい運転をするので、できれば座りましょう。

通常は、どこでも15元。今回は悠々カードを持っていたので、カードで払いました。


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まずは迪化街の路地裏にある永久號烏魚子專賣店へ。


ここでも店舗とパーソナルスペースが同居してます。

双子らしき小学生男子が真横で勉強机をならべて宿題をやっている様子。

その奥では、隠居らしきおじいさんが、友達とお茶をしてます。


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こちらはからすみ並べて、店の主人と話す。

ところがいざ買う段になると、男の子2人がトトトトト、と走ってきて主人の横に立ちました。

そして私たちの金払いをじっと見ている。


で、3人並んで「謝謝!」


なるほどなあ。たぶんこういう教育なのだな。

代々やってきた店で、次代を受け継ぐであろう彼らに商いというものに触れさせようとしている。

きっと昔の日本なら当たり前に見ていた光景で、なんだか感動しました。


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■オープンな劇場で、演劇をやっていた。


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益興蔘薬行。いろんな乾物売ってます。


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ここは完全に嫁のターンです。

干し海老、干し貝柱、干しマンゴー、干し椎茸、プーアル茶、花茶などを量り売りでうきうきと買っているようです。


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私には完全に判らない世界に入っていくので、周辺の古い建物を撮影したりして過ごしました。ふう……。


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■レトロモダンな建物。


ついでカルフールへ立ち寄る。エスカレーターの間にも商品陳列され​てました。

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■マンゴーとライチを購入(後でホテルで食べるため)。


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カルフールの向かいにある典蔵陶藝行で陶器を買う。茶海とお椀を買いました。


いったんホテルに戻って荷物を置いて、地下鉄に乗ります。MRT。

悠々カードなら日本のSuicaなどと同じ。ただ切符となると、日本の改札とはちょっと違う。

切符じゃなくてトークンというコイン。それをカードと同じく、センサーに触れさせる。

降りる時は穴に投入して返却する。


車内では、台湾の女子高生たちがキャーキャーと会話していました。

何言ってるのか判りませんが、日本の女子高生と話すテンションは同じです。

よく考えたら、日本の女子高生だって「まじやべー」とか言って何をしゃべってるのか判らないんですから、同じですね。


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各所の口コミで「店員の態度が悪い」とあり、どのくらいのものかとワクワクしておりましたが、全く普通でした。

というかむしろ親切で優しかった。反省されたんでしょうか。


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■北京ダック


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■桑拿蝦(エビの吟醸酒蒸し​)。


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蟹黄金塔飯(ピラミッド炒飯にカニ卵あんかけ​をかけたもの)。食べてから思い出して撮影。


ピラミッドチャーハンは、見た目が三角錐になっているため、体積が少ないように見えるかもしれません。

しかしこれは結構なボリュームがあります。2〜3人でちょうどいいくらいかな。


私たちの場合、北京ダックと海老は食べきれませんでした。

持って帰りたい、と言うとちゃんとパッケージングしてくれました。


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この後は再びMRTに乗って士林駅へ。


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駅から400〜500メートルほどに渡って広がる士林夜市を見物します。

お目当ては辛發亭。



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店の外まで待ちの行列ができていました。飛び交う台湾語。緊張感が増してきます。

しかし店員さんが写真入りのメニューをくれたので、それを指さしてOKでした。


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■店内は混み混み。


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■珈琲雪片(ふわふわ珈琲氷)

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■新鮮芒果雪片(マンゴーふわふわミルク氷)


帰りはしんどいので、MRTは使わず直接タクシーに乗ります。

ちゃんと「サンワンレジデンスだよ、頼むよ」と台湾語で言って、

さらにメモ用紙にホテル名と住所を書いて見せてOK、OKなんて言ってたのに、

連れて行かれたのは全然違うサンワンホテル台北。方角が逆。


「違うじゃん」と言うと、ウンチャン(運匠と書く。台湾でタクシーの運転手は「ウンチャン」という)は、えへへとはにかんで方向転換しました。

かわいくないぞ。


で、正しいサンワンレジデンスに到着。当然、料金メーターは倍近くに進んでます。

僕はそれを指さして、「これ、払うの?」と日本語で言いました。

ウンチャンは最初頷きますが、もう一度無表情に指さして「これ、払えと?」と繰り返す。


ウンチャン、困った顔をしてます。

詳しい金額については避けますが、金額を書いた紙を見せて「どうだ?」と素の顔でいうと、

ウンチャンは「お、オーケー……」と根負けしたようです。ごめんなさい。


この後は部屋に戻り、気絶するように眠りました。

3日めに続く。

タグ:travel
posted by tk219 at 18:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | 台湾旅行2011 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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